【Q&Aコラム】筋肉をつけるには一度太って脂肪を筋肉に変える必要があるって本当?
当院の患者様から実際にいただいた、代表的なご質問をご紹介します。
※リスク・副作用、施術内容はコラム投稿時点での情報となります。最新の情報はクリニックへお問い合わせください。

変形性膝関節症の治療のために、整形外科で「足の筋肉を鍛えましょう」と言われました。
このまま痛みが酷くなるのも嫌なので、さっそく筋トレや運動を始めようとしたところ、私が痩せ型体型なのを知っている知人から「筋肉をつけるには、まずはたくさん食べて一度太らないと駄目なんじゃない?その脂肪をトレーニングで筋肉に変えていくんでしょ?」と指摘されました。
脂肪で体重を増やすとむしろ膝が痛くなりそうな気がするのですが、一度脂肪をつけないと筋肉はつかないんですか?

「脂肪が筋肉に変わる」というのは大きな誤解で迷信です。
一度脂肪を付けて太る必要は全くありません。
脂肪と筋肉は、そもそも全く違う別の組織(細胞)です。
ボディビルダーなどが筋肉を増やす時、生活で消費するカロリーよりも多く食事を摂る必要があるため、どうしても一緒に脂肪が着いてしまいます。
彼らが試合やコンテストに向けて減量をすることで脂肪が減り筋肉のラインが見えていく過程が、脂肪が筋肉に変わっていっているように見えるためにこのように言われているのかと思われます。
脂肪をたくさんつけてもトレーニングで筋肉に変化することはありませんし、余分に脂肪をつけすぎるとむしろ膝の痛みが強くなる可能性もあるので、無理して太る必要はありません。
もう少し詳しく解説
なぜこのような誤解が広まったのか、そして関節を守るための正しい筋肉のつけ方など、もう少し詳しくお話していきます。
脂肪と筋肉は「材料」が全く違う別の組織
筋肉は主に「タンパク質」から作られていますが、脂肪は「脂質(中性脂肪)」から作られています。
細胞の構造も材料も全く異なるため、「脂肪が筋肉に変わる」というのは、「プラスチックが鉄に変わる」と言っているのと同じでありえない現象です。
なぜ「一度太る」という誤解が生まれたの?
この誤解は、ボディビルダーなどが行う「増量期」という方法が曲解されて広まったと考えられます。
彼らは筋肉をより大きくするため、生活やトレーニングで消費する以上に大量のカロリーを摂取します。
この時、カロリーを余分に摂る関係上、筋肉と一緒にどうしても「脂肪」もついてしまいます。
その後、増えた脂肪だけを落とす「減量」を行い、脂肪の下に隠れた筋肉のラインを出していき、筋骨隆々な体を作り上げていきます。
「筋肉をつけるためには一度太る必要がある」というのは、この一連のプロセスを見た人が「太って脂肪をつけてから、それを筋肉に変えているんだ」と勘違いしたために生まれた誤解かと考えられます。
疾患の治療や予防の目的であれば、極端に大量のカロリーを摂る必要はありませんし、もちろん一度太る必要もありません。(極端に食事量や摂取カロリーが少ない場合などは例外です。この場合は、医師や管理栄養士にご相談下さい)
むしろ、脂肪による「体重増加」は逆効果
質問のケースのような、関節のケガ予防や治療のために筋肉を付ける場合、無理にたくさん食べて脂肪をつけることはむしろ逆効果になります。
歩く時、膝には体重の約3倍の負荷がかかると言われています。
脂肪をつけて体重が1kg増えれば、膝には3kgの余分な負担がかかり、痛みを悪化させる原因になります。
脂肪と筋肉は全くの別の細胞であり、一方がもう一方に変化することはありません。
「一度太らないといけない」という噂には惑わされず、無理なく安全に筋肉を鍛えていきましょう。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
上記の質問・疑問以外にも気になる事があれば、診察やリハビリの際にお気軽にお申し付け下さい。
●このコラムを書いた人

二宮 暉
患者様に合わせたリハビリテーションを実施し、日常生活におけるアドバイス、運動の指導を行い、一人ひとりに寄り添った治療を提供します。
また、当院のコラムを通して、より患者様の生活の質を向上させるような情報を発信していきます。
●得意分野
肩関節疾患(保存療法・術後)、投球障害(肩・肘)、トレーニング指導
記事監修:久保 卓也