【Q&Aコラム】五十肩は原因が不明ってどういうこと?

最近、肩が急に痛くなり腕が上がらなくなりました。
整形外科に行ったら「五十肩」と言われました。
先生に原因を聞くと「五十肩は、はっきりした原因は不明です」と言われました。
あんなに痛いのに原因が分からないなんてことがあるんでしょうか? 何か悪い病気が隠れているのではないかと不安です。

「原因不明」と言われると、とても不安になりますよね。
まず安心してください。
ここで言う「原因不明」とは、『骨折や腱の断裂、腫瘍といった、明らかな異常が見当たらない』という意味です。
決して「何が起きているか分からない」わけではありません。
五十肩/四十肩とは、肩関節を包んでいる袋(関節包)や、その他の肩関節周囲の組織に炎症が起き、痛みが出現し、固まって動かなくなってしまう疾患で、正式な診断名としては『肩関節周囲炎』といいます。
加齢に伴う組織の変化や血行不良などが積み重なって発症するのではないかと言われており、きっかけとなる明確な怪我がなくてもため発症する疾患です。
レントゲンなどで骨折のような明確な所見が得られないため、医学的に「特発性(原因が特定できない)」と表現されるのです。
もう少し詳しく解説
肩関節周囲炎、一般的に五十肩/四十肩と呼ばれる疾患は、レントゲンなどの検査で明らかな病気や怪我の所見が見つからないのに(=原因不明)、肩関節周囲に炎症が起きたり、肩関節が動かせなくなる(拘縮)状態になってしまう疾患のことを言います。
「原因不明」と聞くと不安になりますが、言い換えると骨折や筋肉・腱の断裂、その他腫瘍などがある可能性はないor極めて低い状態であるという意味にもなります。
「原因不明」という言葉は「何か特別な悪い病気のせいで痛みがあるわけではない」という、ある種の「安心材料」ともいえます。
また、原因不明とはいえ、五十肩/四十肩は発症から治癒までどのような経過をたどるかについては明らかになっています。
つぎに、この疾患の経過についても合わせて説明します。
五十肩の3つの病期とその対処法
五十肩は個人差がありますが、一般的に半年から1年、長い場合は数年かけて以下の経過をたどります。
- ① 炎症期(急性期):発症〜約3ヶ月
肩関節周囲に炎症が生じており、 最も痛みが強い時期です。
じっとしていてもズキズキ痛んだり、夜寝ている時に痛みで目が覚める(夜間痛)or寝られないこともあります。
この時期の対策としては、大前提として「 無理に動かさないこと」と「完全に安静にはしないこと」が挙げられます。
「痛くても動かさないと固まってしまう」と思って無理やり伸ばしたりしてしまうと、炎症がより酷くなりますし、逆に「痛くて仕方ないので全く動かさない(or固定してしまう)」と、この後の拘縮期での拘縮が非常に強くなり、自然には関節の硬さが取れず、手術が必要になってしまうこともあります。
無理のない範囲で、ほんの少しでも良いので動かして、でも痛みがあるまでは動かさないということを意識して下さい。
当院にご相談いただければ、現状に合わせたエクササイズの提案などを理学療法士がさせていただきます。
他には、痛みが強い場合は、注射や服薬で痛み・炎症を抑える治療を行います。 - ② 拘縮期(凍結期):約3ヶ月〜6ヶ月
ズキズキする激しい痛みは落ち着いてきますが、関節包やその他の肩周囲の組織が硬く縮こまり(癒着/拘縮)、腕が上がらない、後ろに回せないといった動きの制限がピークになります。
痛くない範囲で、お風呂上がりなどに少しずつストレッチを開始します。まだ無理やり強く動かすのは避けてください。 - ③ 解凍期(回復期):約6ヶ月〜1年以上
痛みがほとんどなくなり、氷が解けるように少しずつ肩の動きが良くなってくる時期です。
完全に元通りの動きを取り戻すため、積極的にリハビリ(運動療法)を行います。
理学療法士の指導のもと、可動域を広げる運動や筋力トレーニングを行うことで、早期の完全回復を目指します。
五十肩の注意点
自己判断は危険です。
上記までの情報を知っていても、知っていなくても「勝手に治るんじゃないか」と受診をしなかったり、無理やりにでも動かせば良くなるんじゃないかと鉄棒にぶら下がったりなどするのはおすすめしません。
悪化してから受診をすると実は五十肩とは別の疾患であったことが判明する場合がありますし、無理やり動かすと痛みが悪化する場合もあります。
また、痛いからと全く動かさないと拘縮が残ってしまい、手術してもある一定以上は動かない状態が残ってしまう場合もあります。
現状を医師に診断してもらい、その時期に合った適切なリハビリを行うことが、辛い痛みを早く治すための近道です。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
上記の質問・疑問以外にも気になる事があれば、診察やリハビリの際にお気軽にお申し付け下さい。

