【Q&Aコラム】脱臼は一度すると「クセ」になるって本当?
当院の患者様から実際にいただいた、代表的なご質問をご紹介します。
※リスク・副作用、施術内容はコラム投稿時点での情報となります。最新の情報はクリニックへお問い合わせください。

スノーボードで転倒して肩を脱臼してしまいました。その時は救急病院で肩を入れてもらったのですが、先輩から「脱臼は一度やるとクセになるから気をつけろ」と言われました。
今は痛みも落ち着いてきたのですが、普通に生活していても、また肩が抜けてしまうようになるのでしょうか?

肩の脱臼は特に「クセ(反復性脱臼)」になりやすいケガであるというのは本当です。
若い方やスポーツを活発にされる方ほど、一度脱臼すると、その後ちょっとした動作(服を着る、寝返りをうつなど)でも肩が抜けやすくなってしまうリスクが高いことが医学的にもわかっています。
もう少し詳しく解説
なぜ肩の脱臼はクセになりやすいのか、そして繰り返さないための正しい対処法についてわかりやすく解説していきます。
なぜ「クセ」になるの?原因はストッパーの緩みです
肩の関節は、とても動かせる範囲が広い反面、骨同士の噛み合わせが浅く、周りの「靭帯(スジ)」や「軟骨(関節唇)」などの組織がストッパーとなって支えています。
脱臼して骨が抜けるとき、このストッパーの役割をしている靭帯や軟骨がベリッと剥がれたり、伸びきったりしてしまうことがあります。
骨を元の位置に戻しても、この傷ついた組織が緩んだままだと、肩を支える力が弱くなり、再び骨が抜けやすいクセのついた状態「反復性脱臼」になってしまいます
若い人ほど要注意!クセになりやすい条件
脱臼がクセになる確率は、初めて脱臼した時の「年齢」に大きく関係しています。
10代や20代前半で初めて肩を脱臼した場合、約80〜90%の高い確率で再発するとも言われています。
若い方は関節自体が柔らかく、スポーツなどで肩を激しく使う機会が多いためです。
「また抜けたけど、自分で入れられるからいいや」と放置するのは非常に危険です。
何度も脱臼を繰り返すうちに、骨そのものが削れてしまったり、周りの神経を傷つけたりして、取り返しのつかない後遺症が残る可能性があります。
痛いときは無理しないで!繰り返さないための治療法
クセになってしまった脱臼を改善し、不安なく生活するためには適切な治療が必要です。
緩んでしまった靭帯の代わりに、肩を支えるインナーマッスル(回旋筋腱板)をご自身の運動で鍛え、関節を安定させることが第一歩です。
リハビリを行っても日常生活やスポーツに支障が出るほど脱臼を繰り返す場合は、剥がれた靭帯や軟骨を縫い合わせる手術(関節鏡手術など)が必要になるケースがあります。
まずは専門医に肩の状態を正しく評価してもらうことが大切です。
肩の脱臼は、「一度外れるとクセになりやすい」という特徴を持ったケガです。
骨が元に戻ったからといって完治したわけではなく、関節の中の組織は大きなダメージを受けています。
「また抜けるかも…」と不安を抱えながら生活する前に、まずは当院で肩の緩み具合や損傷の状態をしっかりチェックしてみましょう。
リハビリ指導を含め、今後の正しい向き合い方を一緒に考えていきますので、お気軽にご相談くださいね。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
上記の質問・疑問以外にも気になる事があれば、診察やリハビリの際にお気軽にお申し付け下さい。
●このコラムを書いた人

二宮 暉
患者様に合わせたリハビリテーションを実施し、日常生活におけるアドバイス、運動の指導を行い、一人ひとりに寄り添った治療を提供します。
また、当院のコラムを通して、より患者様の生活の質を向上させるような情報を発信していきます。
●得意分野
肩関節疾患(保存療法・術後)、投球障害(肩・肘)、トレーニング指導
記事監修:久保 卓也