【枕が合わない!首が痛い!】枕と首の痛みの関係と選び方
こんにちは、天6整形外科理学療法士の二宮です。
突然ですが、寝具って大事ですよね?
寝具は一日で一番長い時間いる場所ですし、一日の始まりを迎える場所でもあります。
寝具が身体にあっていないと、眠りの質が悪くなってしまい、一日の始まりをあまり良くないコンディションで迎えることになり、その日の生産性が落ち、生活の質も当然のごとく低下する、なんてことは考えるまでもありません。
当院に来院される患者さんには頸部の痛みを訴える方も非常に多く、枕が合わなくて寝違えて・・・なんて方も少なくありません。
首の痛みは放置しておくと背中や腰にも影響が波及していき、結局全身の問題となってしまいます。
今回の記事では、枕が合わない場合に生じる首の痛みはなぜおきるのか、ということと、理学療法士の目線での枕の選び方についてお話していきます。
首の痛みと枕の関係

慢性的に首の痛みに悩まされている方は非常に多く、その原因の一つに枕の高さや形が合っておらず、首にとって無理な寝姿勢を強いられるために痛みが生じている場合も多い印象を受けます。
まずは、そんな首の痛みと枕の関係について、詳しく解説していきます。
寝起きの首の痛みと枕の関係
寝起きに首が痛い原因は、冒頭にも示したように、枕の高さや形があっていないことにより、首に負担のかかる姿勢となってしまうことが挙げられます。
では、具体的にどのような姿勢になると良いのでしょう?
まずは以下の画像を御覧ください。


この図は、医学的に良い姿勢とされるものを示したもので、図の赤い点がこのように一直線に揃っていると理想的な良い姿勢であると言われています。
寝起きの首の痛みは、この図の点のうち、首〜背中周りの点が、直線上からズレた寝姿勢になってしまうために生じていることが考えられます。
首の痛みの原因となる寝姿勢を避けるためには、自分自身の体型や体格にあった高さ、硬さ、形をした枕を選択する必要があります。
では、自分にあった枕はどう選べばよいのでしょうか?
自分にあった枕の選び方

自分にあった枕の選び方については、まず、自分の体格を把握しておく必要があります。
例えば、体格が大きな方は背中の厚みなども厚い傾向にあるため、低い枕では上を向くように首が反り返る姿勢になってしまうことが考えられます。
逆に華奢な体格の人は、枕が高いと強く顎を引いたような姿勢となり、気道を押しつぶす姿勢になりやすいと言えます。
無理な寝姿勢で寝た場合、寝起きに首が痛くなったり、いびきの原因になったりして睡眠の質が下がってしまいます。
なお、体格については、BMI(Body Mass Index)を参考にし、標準よりも体格が大きいか小さいかで判断するとよいかと思われます。
以下のサイトで簡単に計算できますので、一度確認してみましょう。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228732
次はより具体的に枕の高さや硬さの選び方をお話していきます。
自分にあった枕の高さは?
すでに述べた姿勢のラインが一直線になる高さの枕を選ぶ場合、体格と、仰向けと横向きのどちらに合わせるのかが重要になります。
仰向けの場合、体格が大きな方は体の厚みもあるため、高めの枕が適しやすく、逆に、体格が華奢な方は枕は低いほうが適しやすい傾向にあります。
まずは、仰向け姿勢で高めと低め、どちらが自分にあっているかを把握した上で、今度はどの寝姿勢に合わせるかを考えていきます。
仰向けに合わせるのであれば、既に把握している高めか低めかを最初に設定した上で、再掲する下図の耳と肩のラインを合わせられるように合わせます。


横向き姿勢に合わせる場合は、さらにここから枕の高さを肩から頭までの距離に合わせる必要があります。
具体的には上図右側の後頭隆起と椎骨棘突起の位置が直線になるような高さの枕を選択する必要があります。
肩幅が広い人ほど高い枕が合いやすい傾向にあり、基本的には、横向きに合わせた枕の高さは仰向けのときよりも少し高くなります。
最近では、中央がくぼんでいて左右が高めにできているような、仰向けにも横向きにも合わせられる形の枕も出てきているため、そういうものを選ぶのも良いかもしれません。
枕の硬さはどう選ぶ?
枕の硬さについては、どのような寝姿勢を取るのかが大きく影響します。
これを選び間違えると、枕の高さがバッチリあっていても結局首の痛みが出てしまうことに繋がってしまうので、非常に重要な部分です。
例えば、仰向けで寝る場合は、丸みのある後頭部が枕に接することになりますので、枕が硬すぎると頭の位置が安定せず首周りが緊張しやすいため、首や背中の筋肉に負担がかかってしまいます。
そのため、仰向けで寝る場合には頭が沈み込み過ぎない程度に柔らかめの枕が良いでしょう。
横向きで寝る場合は、枕が柔らかすぎると頭が沈みこんで首が横に弯曲するような姿勢になってしまいます。
横向き寝姿勢は頭の側面が枕に接するため、頭の位置は安定しやすいので、横向きで寝ることが多い方の場合は、枕は適度に硬めのほうが良いでしょう。
最近では枕の中央部が柔らかく、左右の端が硬めにできているなど仰向け、横向きどちらの寝姿勢にも対応している枕もあります。
確実なのは実際に寝てみること
当たり前ですが、最終的な枕の決め手は実際に寝てみることです。
最近では寝具売り場などで枕を試すこともできるので、ここまでに述べた枕の高さ、および硬さを選ぶ基準を主軸に、枕を選んでみると良いでしょう。
まとめ

今回は、枕と首の痛みの関係、そして自分にあった枕の選び方について、理学療法士の目線からお話していきました。
しかし、すべての首の痛みが枕が原因かというと、当然そんなことはありません。
あまりにも痛みが続く場合は整形外科の受診をおすすめします。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
長く続く首の痛みの相談には是非当院をご検討下さい。
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