【Q&Aコラム】肩の石灰はどうなる?

数か月前から肩に強い痛みがあり、病院で“石灰沈着性腱炎”と言われました。
自然に良くなると聞きましたが、この石灰はその後どうなるのでしょうか?

肩にできた石灰は、多くの場合、時間の経過とともに体に吸収されて小さくなっていきます。
中には完全に消える方もいますが、必ずしもすべての人で自然になくなるわけではありません。
痛みが強く続く場合には、注射やその他の治療が必要になることもあります。
もう少し詳しく解説
石灰沈着性腱炎は、肩の腱(特に腱板)にリン酸カルシウムがたまり炎症を起こす病気です。
石灰は最初はミルクのようにやわらかい状態から始まり、時間が経つとペースト状、さらに石膏のように硬い状態へと変化することがあります。
石灰がどんどんたまって腱板内でふくらむと、周囲の圧が高まり痛みが増してきます。
そして石灰が腱板を突き破って肩の滑液包内に流れ出ると、炎症が強く起こり、突然の激しい痛みとなることがあります。
多くの場合、その後に石灰は小さくなり体に吸収されていきますが、残って症状が長引くこともあります。そのような場合には、以下のような治療が検討されます。
- 薬や注射:消炎鎮痛薬やステロイド注射で炎症や痛みを抑える方法
- 穿刺吸引:石灰を注射針で吸い出したり砕いたりする方法
- 体外衝撃波治療(ESWT):衝撃波を当てて石灰を細かく砕き、体に吸収されやすくする方法
- 手術:どうしても改善が得られない場合に、関節鏡で石灰を直接取り除く方法
当院では保存療法(薬や注射)に加えて、痛みの症状が落ち着いた時かつ、肩の可動域が悪い時には、リハビリも行っています。
肩の動きを改善し、再発を防ぐための運動療法を組み合わせることで、より早い回復をサポートします。
なお、穿刺吸引や体外衝撃波治療は当院では行っていませんが、対応可能な医療機関を紹介することはできますので、気になる方はぜひご相談ください。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
上記の質問・疑問以外にも気になる事があれば、診察やリハビリの際にお気軽にお申し付け下さい。