大阪市北区天神橋
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骨粗鬆症(骨粗しょう症)とは?その症状と治療・予防について

こんにちは、当ホームページのコラムを担当させていただくことになりました、天6整形外科理学療法士の二宮です。

早いもので、当院開院から1か月が経過しました。

開院前の内覧会でも2日間で430名もの方に来院いただき、開院後1週間程度で1日のリハビリの予約枠がいっぱいになるなど、非常に多くの患者様にご来院頂いています。

当院にご来院頂いた患者様からはお身体について様々なご相談をお受けしておりますが、今回はその中でも特に相談数の多い「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」について、お話していきたいと思います。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)とは何か、どうなるのか、どう治療するのか、どう予防するのかなどを記載していきますので、是非ご参考にして下さい。

以下が今回の内容です。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の症状について

さて、骨粗しょう症という言葉はよく聞きますが、実際にはどのような疾患なのでしょうか?

まずは骨粗鬆症の症状についてみていきましょう。

骨粗しょう症とは、骨の密度が低下し、骨の質が悪くなることで骨折しやすくなる疾患です。

下の図は正常な骨の中身(左)と、骨粗しょう症の場合の骨の中身(右)です。

健康な骨、骨粗鬆症の骨

通常の骨と比べて、骨粗しょう症の骨は中身が詰まっておらずスカスカになっていますね。簡単にくしゃっと潰れてしまいそうです。

このように骨粗しょう症とは骨がスカスカになることで脆くなり、骨折が生じやすくなる疾患です。

骨粗しょう症の主な原因としては、閉経後のホルモンバランスの変化の影響があげられ、50代以降の女性に特に多いといえます。

60代女性では5人に1人、70代女性では3人に1人が骨粗しょう症であるといわれており、これらの年代に当てはまる女性は注意が必要と言えます。

では、次に骨粗しょう症になってしまった場合、具体的にどうなるのかについてお話していきます。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)になるとどうなる?

前の項では骨粗しょう症になってしまうと骨の中身がスカスカで脆くなってしまうために、骨折しやすくなってしまうとお話しました。

実際に骨粗しょう症になった場合どれくらい骨折しやすくなるかというと、転倒による骨折はもちろん、骨密度の低下が著しい場合は、転倒していなくてもちょっと躓いてしまっただけで骨折してしまうことがあります。その他にも勢いよく座ってしまった場合や、酷い場合には大きなくしゃみをしただけでも骨折してしまう場合もあります

骨粗しょう症が原因の骨折の代表としては、大腿骨頸部骨折脊椎圧迫といった、股関節背骨の骨折があります。これらの骨折は日常生活で必要な動きが困難になるだけでなく、場合によっては寝たきりになってしまうことがあります

また、その時は寝たきりにならなかったとしても、一度骨粗しょう症が原因で骨折をしてしまうと、体の動きが悪くなることなどが影響し、再度骨折してしまう危険性が高くなると言われています。

これらのことから、骨粗しょう症はできるだけ早期に治療および予防をしていく必要があります。

でも実際に骨粗しょう症の治療や予防ははどのようにするのでしょうか?

まずは骨粗しょう症の治療についてお話していきます。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の治療について

骨粗しょう症の治療としては、食事療法や運動療法、お薬での治療などがあります。食事療法については、骨粗しょう症の予防と同じ内容となりますので、次の項で解説します。

当院では、骨密度の測定、血液検査での栄養状態の確認などを行い、現状のお身体の状態に合わせて治療を選択していきます。

また、当院には経験豊富な理学療法士も在籍しておりますので、骨折を予防するための動作の指導や、運動をすることで骨の状態を改善する目的での運動療法を行います。

これらの治療によって、骨粗しょう症になってしまった場合でも実際に骨折をしてしまわないようにすること、骨密度を改善することを目指します

次に、実際に骨粗しょう症となってしまう前にできる、骨粗しょう症の予防方法についてお話していきます。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)を予防するには?

骨粗しょう症の予防は食事やサプリメントでの栄養管理や、運動の習慣付けなど生活習慣に注意することが最も重要となります。
運動習慣付けにおける体型管理をすることも大事になります。

栄養面では、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKをしっかり摂取すること、運動面ではウォーキングなど骨の長軸方向(身体の縦方向)に刺激の入る運動を行うことが骨粗しょう症の予防において大切になってきます。

以下に食事や運動の具体的な例を書いていきます。

栄養面

カルシウム

まず、骨といえばカルシウムですよね。カルシウムは骨の材料であり、カルシウムが骨に取り込まれることで新しい骨が作られます。
カルシウムは、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、しそ、ケール、モロヘイヤ、小松菜などの野菜類や海藻などに多く含まれます。とくに乳製品は、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いうえに、1回の摂取量も多いので、効率よくカルシウムがとれます。ただし、乳製品は苦手な方や消化不良を起こしてしまう方も多いので、そのような方はここで挙げた食材で食べやすいものを選んでみてください。小松菜のお浸しなんて、これからの季節最高ですよね!

カルシウムを多く含む食べ物

ビタミンD

そして次にビタミンDです。ビタミンDは食事で摂取したカルシウムの体内への吸収を促進し、骨密度を増加させる働きをしています。ビタミンDがなければ、カルシウムは非常に吸収されにくい栄養素であるため、カルシウムよりも重要な栄養素といえるかもしれません。ちなみに、ビタミンといえば野菜と思われがちですが、ビタミンDは実は野菜にはほとんど含まれていません。そのため、日本人はビタミンDが不足しがちと言われています。ビタミンDが多く含まれている食材は、魚やきのこ類です。きのこの中では特にきくらげや舞茸が突出してビタミンDが含まれています。次点でエリンギや干し椎茸、えのきたけなどが挙げられます。きのこは天日干しすることでビタミンDが増えるため、乾物であるほうがビタミンDが多く含まれるようです。しめじなどもビタミンDは多く含まれるため、食べやすいきのこを選ぶと良いでしょう。きのこが苦手な方は魚を選択してみてください。また、ビタミンDは脂肪と一緒に取ると吸収がよくなりますので、魚は旬の脂ののったものを、きのこは野菜炒めなどで食べるとよりビタミンDの摂取効率があがります。個人的には豚肉としめじを炒めて食べるのが好きです。また、ビタミンDは日光にあたることでも合成されますので、天気の良い日は散歩してみることなども良いですね。

ビタミンDを含む食べ物

ビタミンK

ビタミンKは骨を作る骨芽細胞という細胞の働きを助け、骨を壊す細胞である破骨細胞の働きを抑制します。
ただし、ビタミンKには血液を固める働きもあるため、血液をサラサラにするワーファリンという薬を飲んでいる方は摂取を避けてください。
ビタミンKは納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜などに多く含まれています。

ビタミンKを含むたべもの

運動面

運動はすでに述べたように骨の長軸方向、つまり身体の縦方向に刺激の入るウォーキングなどの運動が良いといえます。

ウォーキング

運動といえばジョギングやジムでのトレーニングを思い浮かべる方も多いと思いますが、いきなりそこまでする必要はありません。

天気が良いので散歩する、その程度からで構いません。栄養面ですでにお話しましたが、日光にあたるとビタミンDも合成されますので、天気が良い日の散歩は骨粗しょう症の予防において最もよい選択と言えるかもしれません。

ですが、膝が痛い、疲れやすいなどなかなか運動を実践しにくい方もおられるかもしれません。

運動については一度当院にてご相談ください。

経験豊富な医師および理学療法士が最も良い方法を、患者様とともに検討、提案いたします。

では、最後に自分が骨粗しょう症なのかどうか、チェックをしてみましょう。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)チェックをしてみましょう

この項では、このページを読んで頂いている貴方自身が骨粗しょう症であるかどうか、簡単にチェックしていただけます。

自分が骨粗しょう症かどうか気になる方はまずは下のチェックシートを実施してみましょう。

骨粗しょう症チェックシート

さて、点数はいかがでしたでしょうか。

以下に結果を記します。

  • 2点以下の方は現状とくに心配ありません。
  • 3点以上の方は今後骨が弱くなる可能性があるので、食事習慣など注意してみてください。
  • 6点以上ついた方はすでに骨が弱ってきている可能性があります。転倒など注意してください。
  • 10点以上ついた方は骨が弱っていると考えられる状態です。当院やその他医療機関にて医師に相談してみる必要があります。

もちろん、このチェックはあくまでも簡易的なものであるため、実際に検査してみないと本当のところはわかりません。

もし、自分が骨粗鬆しょう症なのかどうか、また骨密度がどれくらいであるのか気になる方は是非当院へお越しください。

当院では、よくある超音波での測定(当院の内覧会で簡易的に実施していたものです)ではなく、日本骨粗鬆症学会で推奨されている測定方法であるDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法、DXA法ともいいます)で最新の機器にて実施・測定できます。もちろん保険適応での実施が可能です。

DEXA法

繰り返しにはなりますが、自分が骨粗しょう症なのかどうか、骨密度がどくれくらいなのか気になる方は、是非当院へお越しください。

状態に応じて、食事や運動のアドバイス、必要であれば理学療法士による運動療法の実施をさせていただきます。

それでは最後に記事のまとめに入ります。

まとめ

今回の内容は

  • 骨粗しょう症は骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気
  • 骨粗しょう症が重度の場合、くしゃみをしただけでも骨折する場合があるため、早期の治療・予防が重要
  • 骨粗しょう症の治療・予防には運動の習慣付けや、日常生活の動きの改善、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを意識した食事の改善が大切
  • 自分が骨粗しょう症になっていないかチェックしたい方は是非当院まで。最新の機器での測定が可能です。

ということでした。

骨粗しょう症については当ホームページ内のこちらのページにも記載しておりますので、もしよろしければご一読ください。

天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。

骨密度の測定だけしてみたいけどそれだけで病院に行って良いのかな?

少し身体に気になるところがあるけど病院に行くほどなのかな?

という方は是非当院にお越しください。

実際に問題が大きくなり、日常生活が困難となる前に受診をすることが、早期に回復するために重要です。

簡単なお悩みでも構いません、皆様のご来院をお待ちしております。