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関節痛を予防するための体型管理についてお話します

関節痛を予防するための体型管理について

こんにちは、天6整形外科の二宮です。

2023年を迎え、まだまだ寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?

リハビリをしていると、お正月太りをしてしまったなんて声を良く聞きます。

太ると膝に負担がかかる、体型管理が重要などと言われ、痩せるようにと指導されることは多いですが、その方法についてまではなかなか詳しく言われることはないかと思います。

今回は、そんな関節痛の管理に重要な体型管理の方法についてお話していきます。

関節痛と体型の関係

関節痛と体型の関係

関節痛には体重や肥満度などの体型が影響すると言われていますが、実際にどのように関係しているのでしょうか。

まずは、この部分について確認していきます。

体重と関節の痛みの関係

関節痛の代表格といえば、変形性膝関節症が挙げられますが、これらの関節痛には体重の影響が少なからずあると言われています。

例えば、膝には体重増加の3倍の負荷がかかると考えられており、仮に10kg太ってしまった場合、膝の負担は30kg増えてしまうということになります。

肥満による体重増加の場合、脚の筋肉が増えて太ったということになりませんので、関節周囲の筋肉による支えが増えていない状態で膝関節への負荷が増えたということになりますので、当然関節へのダメージが増えることになります。

肥満度と関節の痛みの関係

関節痛は、体重以外に肥満度の影響もみられます。

例えば、同じ体重の人でも、肥満度が高く、腹部の脂肪が多い人とそうでない人では、肥満度の高い人のほうが関節痛が生じるリスクは高くなります。

お腹が出た肥満体型の人の場合、お腹の脂肪の重みで腰椎を前方に引っ張るような形となってしまい、結果として極端な反り腰のような姿勢になってしまいます。

このような姿勢の場合、腰椎を支える筋肉のこわばりが出たり、腰椎自体に負担がかかってしまうことで、腰痛が生じてしまう場合があります。腰椎の負担が続くと、腰椎椎間板ヘルニア変性すべり症など腰の疾患を発症してしまうリスクもございます。

また、お腹が出た体型で、腰椎がお腹の重みに引っ張られている状態では、体の重心が前方向によってしまいます。

この場合、バランスが取りにくくなってしまい、その結果転倒のリスクが高くなり、その他の怪我をする可能性を高くしてしまいます。

これらのように、膝痛や腰痛などの多くの関節痛は、肥満を主とする過体重が大きいとされており、またその他の怪我のリスクを高めてしまいます。

体型管理のために大切なこと

体型管理

さて、ここまでで関節痛と体型の関係についてお話してきました。

体重の重さや肥満体型による関節の負担は大きいため、関節痛を改善・予防するためには体型の管理が重要と言えます。

しかし、体型管理といえば食べるものやカロリーの管理などかなりめんどくさいことをしないといけない印象を受けます。

しかし、実際体型管理はある程度のことを知っておけば、比較的ストレスなく行うことができます。

ここでは、体型管理において大切なことをお話していきます。

自分に必要なカロリーを把握する

自分に必要なカロリーを把握する

体型管理のためにはまず自分が摂取するべきカロリーを把握しておく必要があります。

カロリーを把握するというとかなりめんどくさそうな印象を受けますが、以外と簡単な計算で可能です。

基礎代謝を知る

まずは、自分の基礎代謝を計算しましょう。

基礎代謝とは、簡単に言えば1日何もせずに寝ていても消費されるエネルギーのことで、生きるために必要な最低エネルギーのことを指します。

基礎代謝の計算方法はいくつかありますが、個人的には臨床場面などでもハリスベネディクト方程式を用いることが多いです。

計算式は

  • 男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
  • 女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593

です。

かなり複雑な方程式なので、こちらの計算サイト(Ke!san)を使用することをおすすめします。

また、上記の式は筋肉量と体脂肪量に個人差があることは計算されていないので、体組成計などで表示される基礎代謝量も参考にするといいかもしれません。

ちなみに、私二宮の場合は、基礎代謝は1,846kcalです。

1日寝たきりでも消費されるエネルギーが基礎代謝なので、

これを下回ると生命活動に必要なエネルギーが不足しているということになります。

1日に必要なカロリーを計算する

一日の消費エネルギーはTotal Daily Energy Expenditure(TDEE)といい、細かく計算する場合は、METs(Metabolic equivalents:代謝当量)という運動の強度を表すものを用いて、一日に行うすべての運動を計算して活動代謝量を計算して、基礎代謝量に加算して計算します。

METsについてはこちらの厚生労働省のwebサイトにて詳しく記載されています。

METsの表についてはこちらからダウンロードが可能です

しかし、上記のような計算は正直手間もかかりますし、日によって大きく変動する部分でもありますので、もっと大まかな数値が知りたいところです。

その場合は以下の簡易的な式の利用がおすすめです。

自身の活動レベルに合わせた数字を基礎代謝にかけて計算してください。

  • ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)
  • 軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)
  • 中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)
  • 激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)
  • 非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)

上記の式はこちらのwebサイトでも計算可能です。

ここで計算した結果が一日の生活で消費するエネルギーです。

これよりも多くエネルギーを摂れば体重は増えますし、少なくすれば体重は減るということになります。

自身の体型管理の目的が体重の維持、減量、増量のどれかによって、この計算値と同じか、それより多くする、または少なくするように摂取するエネルギー量を設定しましょう。

ちなみに、二宮の場合は、週3〜5回の筋トレをしていますので、活動度は中等度、TDEEは2,862kcalとなります。

適切な栄養バランスを知っておく

1日の摂取エネルギーを決めたら、最後にその内訳、タンパク質と脂質、炭水化物の三大栄養素をどうとっていくかを決めます。

厚生労働省発表の2020年版「日本人の食事摂取基準」を参考にすると、この三大栄養素の割合は、1日に摂取するエネルギーの内、

タンパク質:20%前後
脂質:20~30%
炭水化物:50~60%

程度にすると良いと言われています。

この範囲でタンパク質、脂質、炭水化物をそれぞれ何kcal分摂るのかを計算し終えたら、成分表示などを見て計算しやすいようにそれぞれ何グラム摂ればいいのかに直します。

ちなみに、三大栄養素はそれぞれ1gあたり

タンパク質:4kcal
脂質   :9kcal

炭水化物 :4kcal

です。

仮に、私二宮が先程計算した2863kcalをタンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%で摂取するとすれば、

タンパク質:143g
脂質:95g
炭水化物:358g

となります。

体型管理を成功させるために意識しておくこと

体型管理を成功させるためには

最後に、体型管理の考え方についてお話します。

二宮の個人的な意見がかなり混ざっていますので、少し参考にする程度にしていただければと思います。

食事制限に囚われすぎない

ここまで、カロリー計算や食事のバランスについてお話をしてきましたが、その数値に囚われすぎると、ストレスがたまったりすることなどが原因で体型管理がうまくいかない場合があります

もちろん、ボディビルダーやボクサーのように厳密な減量や体型管理が必要な場合は、神経質に食事を制限する必要があるかもしれませんが、多くの人にとってはそれは当てはまりません。

自分で計算した数値に囚われすぎて、目標の数値よりも多く食べてしまった、少なすぎたなどを一々気にしていてはストレスでかえってダイエットは成功しません

食べる食材まで考えすぎない

食事管理をしていると、健康によい食材や炭水化物のGI値、脂質のいい悪い、食べるタイミングなど様々なワードも耳にします。

もちろん、このような食材を摂り、健康に気を使うにこしたことはありません。

しかし、ただでさえカロリーや栄養素のバランスを気にしているのに、さらに気にすることを増やしてはもうストレスなく食事を摂ることは不可能になってしまいます。

基本的に、何を食べるか、いつ食べるかなどは無視して大丈夫です

ケーキを食べようがジャンクフードを食べようが、一日の摂取エネルギーの範囲内なら何をしても構いません

ただし、食事を1日一回にして一食で一日分を食べ切ってしまおうということは消化吸収や健康面の観点からやめておきましょう。

まとめ:体型管理は気楽にしましょう

体型管理は気楽に

今回は、関節痛を予防するための体型管理についてお話しました。

天神橋筋六丁目、大阪梅田、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。

  • 膝や腰が痛い
  • 姿勢が悪くなってきた気がする

などのお悩みがありましたら、是非当院までお越しください。

早期の治療開始が、症状の悪化を防ぐには最も重要です。

簡単なお悩みでも構いません、皆様のご来院をお待ちしております。