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骨粗鬆症(骨粗しょう症)を予防する食事について③ビタミンKと骨粗鬆症(骨粗しょう症)

こんにちは、天6整形外科理学療法士の二宮です。

今回は骨粗しょう症を予防するための食事第三弾、ビタミンKと骨粗しょう症についてのお話をしていきます。

骨を作るのに関与するビタミンとしてビタミンDはよく聞くかと思いますが、ビタミンKについてはあまり聞いたことがない人も多いかもしれません。

今回は、そんなビタミンKがなぜ骨粗しょう症の治療に必要と言われるのか、ビタミンKの効果などについて触れながらお話していきます。

それでは、内容に入っていきます。

▽骨粗しょう症予防のための食事について前回までの記事はこちらから

ビタミンKとはどういう栄養素?

ビタミンKとはどういう栄養素

ビタミンKとは、脂溶性ビタミンの一種です。

ビタミンKには、ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類があり、ビタミンK1は緑黄色野菜に多く含まれ、ビタミンK2は納豆などの発酵食品に多く含まれています。

ビタミンKの働きは?

ビタミンKの働きには以下のようなものがあります。

  • 血液凝固
    ビタミンKは、血液凝固に関与するタンパク質の働きを活性化させ、出血を防ぐ働きがあります。
  • 骨の形成
    ビタミンKは、骨の形成に関与するタンパク質の働きを活性化させ、カルシウムを骨に沈着させ、流出を防ぎ、骨を強くする働きがあります。
  • 動脈硬化の予防
    ビタミンKは、血管を強くする働きがあり、動脈硬化の予防に効果的です。

ビタミンKは骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防に役立つ?

ビタミンKは、上記で述べたように、骨の代謝に関与するタンパク質の活性化に必要で、このタンパク質の活性化によりカルシウムが骨に沈着し、骨が強くなります。

つまり、骨の原料となるカルシウムを腸から骨へと運ぶのがビタミンDとするなら、そのカルシウムを骨に定着させるのが、ビタミンKということになります。

ビタミンKが不足すると、骨の代謝が悪くなり、骨粗鬆症のリスクが高くなると考えられています。

その例として、ビタミンKの摂取量が少ない人は、ビタミンKの摂取量が多い人に比べて、骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折のリスクが高くなることがBoothら1)により報告されています。

参考文献

1)Booth SL, Tucker KL, Chen H, Hannan MT, Gagnon DR, Cupples LA, Wilson PW, Ordovas J, Schaefer EJ, Dawson-Hughes B, Kiel DP. Dietary vitamin K intakes are associated with hip fracture but not with bone mineral density in elderly men and women. Am J Clin Nutr. 2000 May;71(5):1201-8.

ビタミンKの一日の摂取目安と多く含む食品

ビタミンKの1日の摂取目安量は、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、男女ともに150μgに設定されています。

なお、多量摂取による健康被害は認められていないため、上限は設定されていません。

ビタミンKを多く含む食品は?

ビタミンKを多く含む食品には、次のようなものがあります。

  • 納豆(1パック40g:240μg)
  • ほうれん草(1束:729μg)
  • ブロッコリー(1個125g:200μg)

ビタミンKは、納豆、ほうれん草、ブロッコリー、などの緑黄色野菜に多く含まれており、油に溶けやすい性質があるため、炒めたり脂身の多い肉や魚とともに食べると吸収効率が高くなります。

ビタミンKは、血液凝固や骨の形成など、体にとって重要な働きがあります。ビタミンKを豊富に含む食品を積極的に摂取し、健康的な食生活を心がけましょう。

ビタミンK摂取の注意点

ここまで述べてきたように、ビタミンKは骨にとって重要な栄養素であり、骨粗しょう症の予防・治療の観点から摂取をしたい栄養素と言えます。

しかし、ワーファリンなどの血液をサラサラにして、血栓をできにくくする薬を飲んでいる場合は、ビタミンKの持つ血液凝固作用が薬の効果を弱めてしまい、血栓のできるリスクを高めてしまうため納豆などのビタミンKを多く含む食品の摂取は禁止されている場合があります。

もし、このような血液をサラサラにする薬を処方されている場合は、ビタミンKを摂取する前に主治医に確認を取りましょう

まとめ

今回は、骨粗しょう症とビタミンKの関係性についてお話しました。

ビタミンKは、骨の代謝に関与するタンパク質の活性化に必要であり、このタンパク質が活性化することでカルシウムが骨に定着します。

ビタミンKが不足すると、この働きが低下するために骨粗鬆症のリスクが高くなってしまいます。

ビタミンKを多く含む食品を積極的に摂取し、骨粗鬆症の予防に努めましょう。

天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。

という方は是非当院にお越しください。

実際に問題が大きくなり、日常生活が困難となる前に受診をすることが、早期に回復するために重要です。簡単なお悩みでも構いません、皆様のご来院をお待ちしております。