【Q&Aコラム】膝の変形は治らないのにリハビリをするのはなぜ?

患者さん
70代女性です。整形外科で“変形性膝関節症”と言われました。
先生にリハビリを提案されたので、『リハビリをすれば変形は治るのですか?』と質問したところ、『変形してしまった関節は治らないです』と言われました。
形が治らないのにリハビリをする意味があるのですか?

天6整形外科
膝の変形自体は元に戻りませんが、理学療法士によるリハビリでは”膝に負担のかかる動きを軽減・改善させる”ことで、”痛みを軽減させ、生活を楽にする”ということが図れます。膝の痛みは変形そのものよりも、“筋力の低下”や“関節の動かし方の悪さ”による日常の負担が影響していることが多いため、リハビリはとても有効です。
もう少し詳しく解説
変形性膝関節症は、関節軟骨がすり減ることで膝の形が変わっていく病気です。
ただし、膝の痛みの原因としては軟骨のすり減り以外にも、
- 太ももの筋力が弱く膝の支えが不足している
- 関節の動きが硬くスムーズに曲げ伸ばしできない
- 歩き方のクセで一部に負担が集中している
- 股関節や足首、体幹の働きが弱く膝に負担が集まっている
といった、膝の変形以外の要素も多くあります。
そのためリハビリでは、
- 太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス)を鍛えて膝の負担を減らす
- 身体の柔軟性を高めて動作のスムーズさを取り戻す
- 歩き方や立ち方など“膝に優しい身体の使い方”を身につける
- 股関節・足首・体幹の関与についても評価・治療をする
といったアプローチを行います。
上記のように、膝の変形は元には戻りませんが、リハビリをすることで“痛みを軽くし、できることを増やす”ことは十分可能です。
リハビリは「形を治す治療」ではなく、“変形とうまく付き合いながら生活を良くするための治療” と考えるとわかりやすいでしょう。
天神橋筋六丁目、天満、都島、南森町、東淀川区から通いやすいクリニック、天6整形外科では、手術が必要になる前に身体を治す、怪我をしてしまわない身体を作ることをモットーに診療を行っています。
上記の質問・疑問以外にも気になる事があれば、診察やリハビリの際にお気軽にお申し付け下さい。