大阪市北区天神橋
天六駅近くの整形外科・リハビリテーション科・骨粗しょう症・交通事故治療

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは、骨の量(骨密度)が減少したり、骨質が劣化したりすることにより、骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。

閉経後の女性ホルモンの変化のために女性に多く、50歳代から増加し、60歳代の5人に1人、70歳代の3人に1人は骨粗しょう症と言われています。

骨粗鬆症についてはこちらのコラムでも記載しています、もしよろしければ合わせてお読みください。

骨粗しょう症の症状

ちょっとした転倒などにより気づかないうちに背骨がつぶれてしまう「いつのまにか骨折」を起こすことがあります。
特に背骨や股関節の付け根の骨折を起こすと、日常生活動作や機能が悪くなり、「寝たきり」の原因となりますので注意が必要です。

ほか、日常生活機能低下を引き起こす要因で有名なものでは、ロコモティブシンドローム運動器不安定症などがあげられます。

骨粗しょう症の原因

正常の骨では、骨を壊す細胞と骨を作る細胞の新陳代謝がバランスよく行われていますが、骨粗しょう症では、このバランスが崩れてしまいます。

骨粗しょう症の検査

まず、骨密度の検査を行います。

当院では、日本骨粗鬆症学会でも推奨されている測定方法であるDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法、DXA法ともいいます)にて骨密度検査を行っています。
この検査は保険適応での実施が可能ですので、ご希望の方は診察時にお気軽にお申し付けください。

DEXA法での骨密度検査は、下図の機器にて、背骨、股関節の付け根の骨密度を2種類の弱いX線で計測します。

骨密度検査
骨密度検査

骨粗しょう症の診断には、この検査の結果であるご自身の骨密度が若年成人の平均骨密度(YAM値)の何%であるかが診断に重要です。
下記がその診断基準です。

  • YAM値80%以上 → 正常
  • YAM値70-80%(黄色信号)→ 骨量減少
  • YAM値70%未満(赤信号)→ 骨粗しょう症

上記の他、70-80%(黄色信号)+体のいずれかの骨折歴あり→骨粗しょう症
と診断されることと、背骨や股関節の付け根の骨折があれば、骨密度に関係なく骨粗しょう症と診断されます。

血液検査にて、この細胞の働きを調べ、適した治療の選択やお薬の効果の判定を行います。

  • TRACP-5b :骨を壊す働きを示す
  • P1NP:骨を作る働きを示す


骨粗しょう症による骨折を一度起こすと、次に骨折が起こる危険性が約2.5-4.5倍に上昇すると言われています。したがって、骨粗しょう症による骨折予防はとても重要です。

骨粗しょう症の治療

内服注射による薬物療法、食事療法、運動療法の組み合わせ

基本的な使用例を提示します。

  • YAM値70未満の女性→エディロール(VitD)+エビスタ(SERM製剤)
  • YAM値70以上 エディロール+アレンドロネート(ビスホスホネート)
  • YAM 60以下→テリボン、フォルテオ、イベニティを考慮


治療としてはお勧めしますが、値段が高いことが1番のデメリットです。
3割負担の人で月当たりテリボン13,198円、フォルテオ10,967円 イベニティ15,062円 かかってしまいます。

副作用としてはそれぞれ下記のようなものがあります。

  • エディロール→高カルシウム
  • エビスタ→深部静脈血栓症
  • アレンドロネート→歯周病の治療などをした時に顎の骨が溶ける(顎骨壊死)、大腿骨の真ん中がなぜか折れる(非定型性大腿骨骨折)
  • テリボン、フォルテオ→悪心、嘔吐、頭痛、倦怠感 (骨肉腫や悪性腫瘍の骨転移例は禁忌)
  • イベニティ→低カルシウム、歯周病の治療などをした時に顎の骨が溶ける(顎骨壊死)、大腿骨の真ん中がなぜか折れる(非定型性大腿骨骨折)