大腿骨頭すべり症とは
大腿骨頭すべり症(SCFE)とは、太ももの骨である大腿骨の一番上の部分である大腿骨頭が成長軟骨板(成長線)を滑らせるように後下方ずれてしまう病気です。10歳以降の思春期の男児に多く見られ、多くは肥満を伴います。
同じ大腿骨の小児疾患としてペルテス病もございます。
大腿骨頭すべり症の症状
大腿骨頭すべり症の症状は、股関節の痛み、跛行(足を引きずる歩き方)、足の外旋(足が外を向いている状態)、股関節の可動域制限などが見られます。また、重症の場合は、股関節の脱臼や変形が起こることもあります。
大腿骨頭すべり症の原因
大腿骨頭すべり症の原因は、完全には解明されていませんが、肥満や成長ホルモン、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの関与が関係しているのではと考えられています。
大腿骨頭すべり症の治療
大腿骨頭すべり症は保存加療の成績があまりよくなく、基本的には手術が必要になります。
症状の程度により、手術方法は異なりますが、ズレている大腿骨頭をスクリューで固定する形になります。
手術での固定後も大腿骨頭壊死を起こしやすいため、すぐに足に体重を掛けて歩くことはできず、しばらくの間免荷となり、その後状態に合わせて足に体重を掛けての歩行訓練となります。
院長より
早期発見ができれば、低侵襲な手術で終わらせることが可能です。お子さんの歩き方がおかしい場合には、受診をすすめてください。
当院では手術は行っておりませんが、専門医の紹介は可能です、お子さんの歩き方がおかしい、痛みの訴えがあるなどの場合は是非当院にご相談ください。